備忘ぶ録-新犬小屋

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2021年第2四半期終了アニメの感想

今クールは、最優秀と評価したオイラのツボに嵌まった作品が3作品もあった。
優秀と評価した作品も多く、実りが多いクールであった。時間と体力が続かず切った作品も多かったけど。
 
-最優秀-
●Vivy -Fluorite Eyeʼs Song-
SFというより、ある意味探偵物か。正史で発生する実現させたくない(最終的な結果が分かっているけど詳細が分からない)事態について、あれこれ推測を立てて事態を発生させないようにするという点が、ある意味探偵もの。そして、人よりも長生きするAI(アンドロイド)が、「その長い寿命の中で過ぎ去っていく人達や他のAIとの触れ合い」という儚さと積み重ねによって、(他から与えられた歌ではなく)自ら歌を作り出して「心を込めて歌うこと」ができたというドラマ。タイムリープやAI(アンドロイド)というガジェットが出てくる点はSFではあるが、そちらの方はあまり科学的意味づけも無く深く追及されていない単なるご都合主義的な設定で出だした感がする。話的にこういうが設定があると繋がる的な。ハードSFとしては(説明が足りず)設定に突っ込みどころが多い所がある。あと、トアクがやっていることはイベントとして派手だけど実際AIを排除するという目的に対する効果は疑問がある。
タイムリープってどうやって実現したのとか、オフィーリアのボディにアントニオが乗っていたのはなぜかとか、ライブラリが歴史の分岐のことをなぜ知っていたのか、シンギラリティ計画に対抗できる技術力を得られたのはなぜか(ライブラリの集合意識がマツモトから情報を得たから?)とか、明確に説明されない点がご都合主義的に感じてしまった。そして「歌で人を幸せにする」という目的を持ったDivaが実際に歌で人を幸せにするシーンが無いのはどうかと思う。
所々で(細かく描かれている)Vivyのアップシーンが綺麗すぎてお人形感(というより不気味の谷を匂わせている?)を出している所や動作不能になってグシャっと頭から倒れる所が、Vivyは人ではないって知らしめる演出をしていたり。2話で1つの物語を纏める方法も(少し設定が入り切れていない感じもあるけど)じっくりと見ていられて良い演出であった。
話回し(謎というか設定の細かい所を明かさないところは置いといて)とか好みではあるので、高得点であった。Blu-rayと小説を買う。
 
ゴジラ S.P <シンギュラポイント>
SF的ガジェットや怪獣は舞台装置で、本質的には冒険譚か。全体的にガジェットやら外連味あふれる理論とか面白かったし、動きや演出もみやすく良作であった。
Vivyに続いてこちらも時間遡行や人工知能、ロボットといったハードSFありの、それにくわえて自衛隊やら怪獣の研究機関といった「男の子が好きそうなネタ」が満載。
まあ、ヒロイン神野銘と有川ユンの二人の天才(とペロ2、ユング改めジェットジャガー達AIもか)がだけが謎に迫っていって話をけん引して、他の人たちは添え物的な存在でしかなくなっていたような。
最後もジェットジャガーが巨大化してゴジラと対決というのは何なの?なんで巨大化?どうやらゴジラシリーズを知っていれば待ってましたということらしいけど、まったく見ていないオイラにとっては何が何だか何が解決したのかまるで分らん結末になってしまった。(それはオイラの理解力が低いからか?)
よく分からん終わりで解決した風を装って、でも骨ゴジラを使ってメカゴジラを作ったり、葦原博士が出張ってきたりと意味深な引きだったり、二期に繋ぐ気満々ですね。
 
ジョーの雰囲気が変わった所が印象的だった。特に目。後半のチーム番外地の再建で子供達を易しい目で見ていたところ。
前作では若く荒々しいジョーであったけれど、(エンディングの物悲しいラテン フォークも相まって)今作の前半でやさぐれた生活(地下メガロボクスに身を窶して薬物依存になっていた)を送っていたときの物悲しい目、後半では、前述したように穏やかな優しい目となっていた。テーマとしては自分と家族の場所を守るという感じか。
もう一つのテーマとして世代交代もあるのかな。ジョーやチーフ、マックは、年齢を重ねていてもまだまだ現役で通用するけれど、やはり限界が見えてきてしまっているという。
EDの物悲しいラテンミュージックも凄く良かった。
 
ー優秀ー
"人"と認められないと諦観した兵士達の上官となった”人”の指揮官ミリーゼとの交流と別れの話。
最新のAI兵器の大群と対戦しなければならいという絶望的な状況を、古く劣った装備の寡兵がその経験と連携でバッタバッタとなぎ倒すというカタルシス。絶望的な戦場に対する、仲間達との暖かな日常。その日常にミリーゼが根気強く(偽善的と思われつつも)コミュニケーションをとり続け次第に受け入れられて、しかし、最後には自分が所属している軍組織の無慈悲な仕組みとそれを受け入れている兵士達の諦観、それを覆そうとするミリーゼの覚悟。
色々見どころが多くて良作だったけど、盛りすぎな感じもね・・・。例えば、人間関係。ミリーゼが昔助けて貰ったのが、主役のシンエイ・ノウゼンの兄であり、そのシンが追っている葬り去るべき対象。ミリーゼの親友アンリエッタ・ペンローズは、ノウゼン一家のお隣であり幼馴染みであったが、アンリエッタの父がノウゼン一家を実験体として扱ったという暗い記憶があり、シンが特別な能力に目覚めるきっかけとなったと。
まあ、これらがあったからミリーゼが箍を外して、最後の決戦のシン達を援助すべく、アンリエッタを脅して・説得して虎の子の兵器をハッキングで使わせたという事に繋がるんだけど。
 
●やくならマグカップ
前半アニメ、後半出演声優さんたちが舞台である多治見で焼き物体験や地元巡りで良い所の紹介するという構成。
アニメはよくある部活物なので、アニメだけでは物足りなかっただろうし焼き物の説明が足りていないからよくわからないところもあったと思うけど、この作品では実写部分があり焼き物体験や街を紹介してくれることで分かりやすくて実感を伴えるのでとても良いと感じた。
 
憂国のモリアーティ(2クール目)
前期でホームズが出て来た辺りからなんかごちゃってきたなと思っていて、まあモリアーティ教授だからなと納得していたけど、今期はモリアーティ一味にジェームスボンドや切り裂きジャックとキャラクタが増えて、しかもそのキャラクタ達が余り活躍してなかったりと混迷気味な感じがした。
モリアーティーの過去のえげつない性格を示す事件(成長してえげつなさが見えなくなるくらい狡猾になったというべきか)とかエピソードはあれども、同じレベルの知恵者(趣向の持ち主?)として通じ合う物があって親友だかなんだかという方向に持って行って、最後は原作と同じくモリアーティ教授が水に落ちて行方不明になる(原作ではホームズと一緒に滝に落ちるんだったか)という最後。
腐女子向けな方向に持って行った?
丁寧に作られていたけど、最後の方の事件は粗っぽくてどうなんだろう。
 
女性版チート物(少しハーレムもあるよ?)で、イケメン達に囲まれて、趣味っぽいお仕事が出来て満足な生活が出来て良いですねという話。
恋愛対象は絞られていたし、サッパリした性格のセイが楽しい生活をしていたのは見ていてホッコリした。
 
ゾンビランドサガ リベンジ
大体の作品は、2期で前の踏襲で繰り返しになって意外性が無くてグダグダになる物だけれど、本作は借金返済とか新メンバーが参加すると思ったら直ぐに外れたり、ゆうぎりの過去話からゾンビの謎にちょっと迫ったりと盛りだくさん。そして佐賀が災害を受けて、フランシュシュがみんなを元気付けよう奮闘→リベンジコンサートがチャリティーコンサートへと意義を変えて大成功するという感動的な話へと繋がった。
ドタバタアイドル物としてと地位を確立していたけど、より一層立場を固めたね。
でも、最後の最後でUFOが来てってなにあれ?
 
●ひげを剃る。そして女子高生を拾う。
家出少女を拾い誠実に対応する青年(サラリーマン)というファンタジー
まあ、初めは子供としてしか見ていなかったという事なんだろうけど、一緒にいることで情がうつったという。
あと、美人の上司とさしでお酒を飲みに行ったり、可愛い後輩から慕われたりとか、なんか壊れているんじゃ無いかというくらい朴念仁さ。
なんだろう、個々の要素は良いのだけれど、御涙頂戴な所とか、全体を見ると嘘臭くてそこで引いてしまった感じか。
 
-佳作-
●バック・アロウ
2クールに渡った作品で、ユニークさがあり丁寧に作られているとも感じたけれど、最後の方に大きな敵が無敵すぎる(結局倒したけれど)の延々と使い回されて興ざめした感じ。モブが頑張っていたけれど、主役級がごり押ししてなんとかなった感しか。
もうちょい、他の人達の成長とかパワーアップがパッとで終わらずにあったら良かったのに。
 
七つの大罪 憤怒の審判
長々とシリーズを続けて、やっと終わったかという感じ。強さのインフレーションがおきて、知恵を働かせるわけでもなく、情熱と精神力とごり押しでなんとかした感。
 
ワンダーエッグプライオリティ
まあ、何というのでしょうか、最終回で台無し。1時間にしたあげくグダグダな展開を見せられたあげく、広げた風呂敷をたためてないじゃん。
最終回前までは、自殺の要員となったアカと裏アカの作り出したAIと対抗するために、(知らされていなかったけど)アイ達があの世界に赴いて少女達が自殺した要因となる「敵」と戦ってという、世間に問いかけるような内容だったのに。
最終回では、試練をクリアして自殺した”親友”達は、生き返るも(並行世界で死ぬ要因が無いマイナスな性格が無いことで生きている同一人物なのか)以前の思い出が無くなり素っ気ない関係になってしまって、苦労した意味も無くなってしまって、あの世界に行くことも無くなってしまったアイ達だったけれど、ネイルがあの世界に行ったままになってアイが再び戦いに赴く。それしてダブルピースですか。なんなんですか、あれ。
シナリオの放棄じゃん。
 
前半までは(俺らの仲間の)ボッチで熱量のない奴(女子高校生)が、自転車通学がしんどくてスクーターに乗ろうとしたけど金が無いので中古のカブを安値で売ってもらい、そしたら新しい景色を見せてくれるそれにはまってしまい、カブの整備とか世話を焼くようになり生き甲斐を見つけたという所までは良かった。
しかし後半に入り、何を勘違いしたのか無頼漢だかアウトロー的な粋がりな奴になってスーパーカブがなんでも解決してくれる宗教に入ってしまってから幻滅。
 
●MARS RED
原作のゲームとは完全一致では無いようだけど、大正時代+バンパイア物で手垢が付いている感じであった。
しっとりした絵柄からか派手さは無く、落ち着いた雰囲気で丁寧に作られた演出で話が淡々と語られると感じた。逆に言うと熱量がない。
話の大元にはデフロットやルーファスがいて、それを利用とした中島中将をはじめとした帝国陸軍や、それに振り回されてしまった零機関の面々がいるのだけれど、先述したように淡々と話を紡いでいるので、関東大震災後の金剛鉄兵が跋扈し始めたとか、ルーファスという道化が表に出たとか、デフロットが引き籠りになったとか、関係は繋がっているのは分かるけれど、動機が見えてこなくて(ルーファスは人が潰れるさまを見て快楽を得るのだろうけど)流し見になってしまった。
 
●SSSS.DYNAZENON
ダルダル高校生と登校拒否児とニートとの熱量がない生活に、動機と熱量を持ったガウナさんが入り込んで引っ掻き回したあげくさっと居なくなってしまう話。
街が壊されているのに、危機感無くなんかロボット乗れちゃったし、ガウナさんが五月蠅いから怪獣をやっつけちゃおーかなーみたいな?
怪獣が出てきても被害なんかどうでも良いような人ごとな感情はなんなの?そういう病気なの?
 
●擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD
途中で録画が切れてしまった。タイトルで連続録画にしていたのが名前が変わったから?
始めの4話と最後の2話しか見れていないので、話が分からず評価できないが、大体ここら辺。
 
-及第点-
西幽に行ったり、魔界にいったり?色々、錯綜していたけれどなんかよくわかんなくなっちゃった。
 
●灼熱カバディ
今クール唯一見たスポーツ物。
マイナーメジャーなスポーツで漫画としては(少なくともアニメ化された物としては)初モノで物珍しく、しかもキャラクターの性格もいい感じの奴らで感情移入もしやすかった。初心者の成長物語であって分かりやすかったし。
でも、ライバル紹介的な練習試合が長過ぎて、それだけで終わってしまいいまいち盛り上がりに欠けたかな。
 
●セブンナイツ レボリューション -英雄の継承者-
過去の英雄の力を借りて人々を襲う魔物に対抗する少年少女たちの話。でもなんで学園という形式?
世界を滅亡させる力を持った本に纏わる英雄達の話と、主人公の咎に纏わる話があって、そこら辺がゴチャッた印象。でも、片方だけだとありきたりな物足りない物になったろうし、後は見せるタイミングか。最終回に一挙に開陳されても消化不良だよ。
 
ひたすら陰々滅滅としたシンドイ話を見せられて、何かとってつけたような設定が出てきたと思ったらやっぱりシンドイ話が続いて、最後は勝手に呪い(祝福?)が切れてよかったね、と終ってしまったり、勝手に罪を感じたり。
あの長々としたシンドイ話は必要だったのだろうか?
 
●戦闘員、派遣します!
一言でいうと稚拙な話。
世界征服をした悪の組織が、雇用を守るため戦闘員6号(こすい小悪党だけど仲間を大切にする最後には頼りになる奴?)を異世界への侵略の地場を築かせるために転送させられて・・・。その先が魔族と人間が争っている魔法があるファンタジー的でロストテクノロジーが存在する荒野の世界で、そこの王国に取り入って信頼を得て、女ばかりが部下の部隊を任されて魔族と戦ったり?
設定を盛りすぎの挙句、それらがちぐはぐでネタを単発で打ってきて、それがたまたま得点になっている感じ。滅茶苦茶な設定だけど、話としてはなんとかできている感じ。
 
続編みたいな始まり方だなーと思いつつ見ていたけど、やっぱり続編だったのね。前作見ていない。
異世界でゲームの魔王をロールプレイさせられる小心者がハーレムを率いてお使いを果たす的な?
話はありきたりだし、キャラクタもあんまり考えられてないテンプレの寄せ集め的な?キャラ性能な作品。
 
●イジらないで、長瀞さん
弱々しい男(年上)をいじり相手として、イケイケな女の子が直下をかけてくるというパターン物。
イジりとイジメと境界が曖昧で、初めはイジメっぽいなという感じで微妙感があったけど、途中から互いに意識し始めてイチャイチャ感が出て来て良くなってきたかなーと。
 
三味線の第1人者だった祖父が亡くなり、自分の三味線というものが分からなくなった少年が、東京へ出て自分を見つけるのかと思ったら、学校の三味線部に入って大会へと出場して切磋琢磨するとかなんとか。
なんでそんなに三味線をやっている高校生が大会を開けるくらいいっぱいいて、天才がゴロゴロいるわけ?そして競うって安易すぎない?
 
まったくツボにはまらなかった。
単にポンと与えられた討伐クエストをこなして紆余曲折もあったけれど、深い話が有った訳でもなく淡々と進んだ印象。
ゲームをやっていれば何か思う所があったのかもだけど、なにも感じなかった。
 
-継続-
●SHAMAN KING